人生にはモテ期が三回あるという。

一回目はあった。小学生の時だ。

小学生のとき僕は結構モテていたと思う。

バレンタインのチョコとか結構もらったし(小3の時:3個だけどね。これMAXだけどね)、女子から手紙ももらったりしていたので、多分モテてたんだろう。

当時、僕はトークが達者であったので、席替えした時に可愛い子が隣になったらしゃべくりセブンばりに喋りまくっていた。

その結果別に何があったって訳じゃないけど「この子多分俺のこと好きだな〜参っちゃったな〜ハハハ」と勘違いすることが出来た。

その時は僕は平成のプレイボーイ石田純一・羽賀研二の系譜に連なる生粋のモテ男だと勘違いすることが出来たのだ。

しかし中学生に上がってから暗黒期に突入する。 思春期になり天パが激しくなり髪がうねりはじめ、髪型がキマらなくなってきたという事もあるのだが、「トークが面白い」から「挙動不審キャラ」へと変貌を遂げてしまったのだ。

小学生までは顔も結構可愛らしかったのだが、成長期に入ってから眉毛濃くなるわ髪天パだわで、ゴルゴ13とかはだしのゲンっぽい風貌になってしまい、かつトークも冴えず奇抜な動きで笑いをとっていたから「笑わせる」側から「笑われる」側に一気にクラスチェンジしてしまったのだ。

しかしその時の僕は卑屈だった。「笑いがとれるなら変な動きや、変な人だと思われてもいいや〜ゲヘヘ」と思い必死でわしゃわしゃやっていたのだった。 そりゃモテないわけだ・・・

中学校の卒業式で、皆がブレザーの第2ボタンなんやら最後の告白なんやらをやっている中で、僕は悪友Yと「ったく、何やってんだよあいつらは・・・いいねぇ若い人は」などともはや達観した視点で完全なる外野を決め込んでいたのだった。

そして僕は高校に入学し、暗黒期第2章・「戦闘潮流編」に突入する。

僕は男子校に入ったので、周りを見ても学ランを着た男・男・男だらけ。男しかいない。

僕たち男の子♫ ・・・・・じゃねぇよ汗くせぇんだよ!! 近よんじゃねぇ!! 席替え・クラス替えが全く面白くねぇんだよ!!

この時僕の天然パーマは中世ヨーロッパ史に例えれば「ルネッサンス期」に突入しこの世の栄華を極めていた。 要は天パが一番激しかった時代だ。

僕は暇さえあれば一日中前髪をあげては下ろすを繰り返していた。 髪がくるくるしているからである。 下ろそうが上げようが前髪は「ピョン♫」と可愛く跳ね上がるのだ。

賢明な皆さんならわかるだろうが、この一連のプロセスは全く意味のない行為である。

僕は「運動の現状をそのまま保持しようとする物体の性質を慣性という」という物理法則にのっとり、この現象を「ひとり慣性の法則」と呼んだ。

僕の髪を理科の実験で使う物体にたとえ「スチールウール」などという心ないあだ名をつける輩もいた。
天パは毛根の形状が違うため、髪の毛の形がゆがんでいる。その結果十分な水分を髪自体が保持できず、色つやがなくなるのだ。その結果くるくるしてるし艶ないしで、乾燥ワカメやひじき、金ダワシや前述のスチールウールに見た目が酷似してくるのだ。蛍原さんのようなキューティクルは夢のまた夢である。
というか最初にスチールウールと言われた時は「うまい例えだな」と僕自身もちょっと笑ってしまった。だが・・・・

・・・・・っざけんなよ!!燃焼実験じゃねぇんだよ!! そんな簡単に燃やされてたまるかよ!! そもそも見せもんじゃねぇわ!!

また僕はチョコが好きだったのでチョコを食べ過ぎて顔が丸くなってしまい(僕は太る時にまず顔から太る)満月に例えられ「フルムーン」というあだ名もつけられていた。

そんなこんなで男子校にいると自分から行動しないとまず彼女が出来ることはない。

そんな中、仲良かった友達が女の子を紹介してくれたのだ。

僕は天にも昇る気持ちでその子とケータイメールでやり取りをし、紹介してくれた奴と僕・紹介された女の子とその友達の2対2で遊びにいくことになったのだ。

緊張と不安で胸が張り裂けそうになる中、僕は紹介された女の子と会った。普通に可愛い子で僕は舞い上がった。 その日は4人で遊んだ後普通に解散した。

そして後日、紹介してくれた友達から衝撃の告白を受けた。

どうやら遊んだ後、そいつはその女の子に呼び出され、泣きながら「あんな人じゃないと思ってた!!」と言ったというのだ。そして泣きながら相談する女の子を励ましているうちに二人は付き合うことになったという事だった。・・・・

ガビーン!!!である。 なんやねんそれwww!!  「そんな人じゃない」って完全に見た目やろw!! 天パか!この天パかいな!! 天パを差別するやつなんざこっちから願い下げやーー果てろ!!

16歳の秋のほろ苦い思い出である。

僕はそれからずっと第2のモテ期を待ちわびている。

まだ2回もモテ期が残されているなんて胸が踊る。ある意味ワンストライクツーボールくらいのノリである。 しっかり球を見て「当ってくれ!」という感じで打球を地面に叩き付ければ上手い具合に内野を抜けるかもしれない。

そして僕は30歳になろうとしている。 今までは「まだ20代だし・・・」でよかったかもしれないが、30歳になっても見た目に気をつかわずにヨレヨレのサイズの合わないスーツを着たり、ヒゲを剃らなかったり、ボロボロの靴を履いていたりしたら恥ずかしいと思うようになった。

見られる立場だと思い細部に気を配らないといけないのだ。 スマホがあるのに時計見る人なんてあんまいないけど、いい時計をしている人はやっぱりわかる。 あぁ金ないけど貯めてタグホイヤーの「アクアレーサー」が欲しいわ〜

あとまだ早いかもしれないけどさりげなく香るくらいの香水は持っておきたい。 もしかしたら加齢臭が出始めないとも限らないからだ。

30代のカッコいい男になる為の第一歩はまず見た目からだ。 とりあえず見た目から入るしかない。

見た目に気を遣ってさえいればもしかしたら「この人かっこいい!キャ♡」っと思ってくれる人が2,800万人に一人くらいいるかもしれないではないか! 第2のモテ期を呼び寄せるためにはその0.00000003571%に掛けるしかない。

この先年齢を重ねていく中で、見た目に気を遣わないズボラな感じにはなりたくない。

何歳であってもオシャレに気を遣っている人はすぐにわかる。

僕が憧れるナイスミドル・浅野忠信や佐々木蔵之介や及川光博や渡部篤郎や長谷川博己に少しでも近づけるように自分磨きを頑張りたいものだ。

 

・・・・まぁなんだかんだ言っても一番大事なのは結局中身だけどね!!

Fin.