上質で静謐な音楽の創造者、The xx 〜インディーロック界の大谷翔平〜

 

こんにちは。 masakuroyです。

 

とつぜんですが、私は大の音楽好きです。

 

音楽を聴くことが最大のリフレッシュであり、仕事で行き詰まっている時でも

ひとたび移動の際などに音楽を聴けば、

 

「生き返ったワ〜!」

 

と、即効元気チャージすることができます。

 

それほど音楽が好きな私は常に「いい音楽に出会いたい」とアンテナを張り巡らせております。

 

さいきんでは能動的に情報を取りに行く際は音楽サイトを回遊したりしてますが、twitterでフォローした音楽サイトのポストで偶然出会ったりということもあります。

 

あとテレビ見てる時にドラマの主題歌とか、CMで起用された曲で気になって聴いてみるということもありますね。

 

邦楽だと音楽に出会うチャンスはままあるんですが、私が耽溺する洋楽インディーロックとなると、ただでさえ情報が少ないのでなかなか出会うチャンスはありません。

 

「あ〜、なんか上質で静謐な洋楽インディーロックが聴きたいナ〜」

と思っていたところ、出会ってしまったんですよ。・・・

 

 

まだ一月にもかかわらず私の中で年間ベストともなりそうなアルバムを・・・!

 

 

それこそ、今月リリースされたThe xxの3枚目のアルバム、「I See You」です!

 

出典:www.lesinrocks.com

 

The xxは2009年に彗星のごとくシーンに登場し、まだ20歳そこそこだったにもかかわらずデビューアルバム「The xx」が英音楽界最高の栄誉マーキュリー・プライズを受賞するという快挙を成し遂げたバンドです。

 

言ってみれば欅坂46レコ大受賞するようなものです。

 

アレッ、結構普通か

 

(おそらく英国内のマーキュリー・プライズの格はレコ大とは全く違うと思われます)

 

デビュー当初は「機材を買うお金がなかった」という理由で徹底的に無駄や余計な要素を削ぎ落とした極みミニマル的なロックが新鮮すぎてドギモを抜かれました。

 

しかし、ロミーとオリヴァーが交互に織り成す憂いを帯びた大人びたヴォーカル、ジェイミーの生み出す複雑でよく練り上げられた中毒性のあるリズムパターンに脳天をやられ、

 

なんだこのシンプルなのにロック/テクノ/エレクトロニカ/ポストダブステップの要素を全て持ち合わせた音楽は・・・!  これはIT時代のニューミュージックや!

 

と柄にもなく関西弁で丘の上から叫んでしまったことを覚えています。

 

1stアルバムから「Crystalised」是非聴いてください。

 

この只者ではない空気、ゾクゾクするでしょ?

まさに恐るべき子供たちでした。

 

そして時は経ち、27歳になった彼らは更に成長し、満を持して「I See You」を送り出してきたのです。

The xxへ念願のインタビュー|超待望の新作からBrexitまでを訊く-インタビュー:CINRA.NET

 

ジェイミーはソロ活動(DJ・クラブミキサー)で培ったクラブ・ミュージックのエッセンスを巧みにバンドに取り込み、彼らの音像にさらなる厚みと深みをもたらしました。

 

成熟して大人になった彼らはただひたすら美しく響く静謐な音楽を作り上げたのです。

 

デビュー作のような若さゆえのギリギリのバランスで成り立っているような危うさはなく、(それが彼らの持つ魅力でもありましたが)非常に安定感がありながらも、新しい要素を取り入れて音楽の幅がすごく広がったなと思います。

リードシングル「On Hold」のPVをごらんください。

 

美しい。・・・

 

日々の雑踏に紛れていてもイヤホンをつけて再生ボタンを押せば一瞬で別世界に連れて行かれます。

 

The xxの音楽は”ここではないどこか”に連れ出してくれる特別な音楽だと思います。・・・

 

コーラスの後に挿入されるサンプリング・ヴォイスのリフレインやリズムはジェイミーのDJとしての活動がふんだんに活かされていて、マジでかっこいいです!

 

ちなみにジェイミーのソロプロジェクト、「Jamie xx」のアルバム「In Colour」はロックではなく完全にクラブミュージックですが、こちらもドハマリしています笑

 

Jamie xx、感情の欠片を繋いだ作品『In Colour』|Qetic

 

私いかにもクラブミュージック(ユーロビートとか笑)的な、

 

フロア爆上がりィー、テンションアゲアゲー!! セックス! セックス! セックス・オン・ザ・ビーチ!!(ウェーーーイ!!)

 

みたいな音楽に関心が一切ないのですが、本当にIn Colourは素晴らしく上質なクラブミュージックって感じです。

 

こういうエレクトロニカとかポストロックに接近したクラブミュージックって、本当に惹かれてしまう。 もっとも大好物かもしれないです。笑

 

さいきんはI See YouとIn Colourを無限ループでひたすら聴いています笑

 

フォーテットとかゴールドパンダも大好きだし、エフェックス・ツインのXtalとか大好き笑

 

Jamie xxの美しい一曲、「Loud Places」も是非ご一聴ください。

 

 

彼らは若いのに忍び寄る誘惑にはわき目もふらずに、ひたすら「美しい音楽を作る」という一点のみに真摯に取り組んでいます。

 

ジェイミーもDJで来日中は一心不乱にレコ屋でアナログレコードを漁ってたっていいますからね。

 

根っからの音楽バカなんでしょう。

 

私は彼らみたいに音楽に対して誠実なバンドが、本当に大好きです。

 

まるで野球に例えるなら大谷翔平くんのようです。(なぜ野球に例えた)

 

聴くのが楽しみなバンドがまた増えました。

 

これからも彼らのことを追っかけていきたいと思いますし、キャリアを積む中でどのように彼らが変わっていくのか、楽しみです。

 

インディーロックの未来は、彼らの手の中にあるー。

 

そう言っても過言ではありません。( そう言ってるお前は何者やねん)

 

ばいちゃ!

 

Fin.

 

 

 

 

 

 

 

 

新時代の代弁者・ディアハンター

今日は僕が敬愛してやまない、Deerhunterというバンドを紹介したい。

僕がインディーロックを好きなのは、もし女子に

「どんな音楽聴くの?」

と聞かれた時に

「インディーロック」と答えることで、

「インディーロックが好きなんてなんかオシャレだわ アート感でてるし この人好き!」

という展開を狙っているからだが、インディーロックはそのメロディやリズムパターンが独特で、面白いという事もあるのだが何よりも「歌詞」が圧倒的に一般的な洋楽・邦楽と異なっている点が面白いのだ。

大体の一般的な邦楽・洋楽の歌詞のテーマは「私」と「あなた」、「I」と「You」の関係性である。

「あなたの事が好き」
「君を愛してる」
「君と一緒にいたい」
「I love you」
「I make you mine」
「You are my everything」

これに対してインディーロックの歌詞テーマは多様性に富んでいる。

とくにDeerhunterの歌詞は圧倒的に変わっている。

Deerhunter/It Never Stops

i had dreams
that frightened me awake
i happened to escape
but my escape

would never come
would never come
would never come
would never come

(和訳:僕は怖い夢を見て飛び起きた 僕は逃げ出そうとした でも僕が逃げ出す機会は訪れなかった 訪れなかった 訪れなかった)

この圧倒的な一人感すごい。自分以外誰も出てこない。 基本「I」で簡潔しており徹底的に自分に向き合っている。 てか怖い夢見て起きたって子供か。 しかもめっちゃ歌詞後ろ向き。暗い。

Deerhunterの最大の魅力は、緻密にエフェクトされたギターが生み出すサイケデリック・ノイズの陶酔とこの救いようがない暗く孤独な歌詞世界なのだ。

Deerhunter/ Strange Lights

What direction should we choose?
We’re lost and still confused
I walk into the sun
With you, the only one

Who understood the ways
The hours become days
The weeks turn into months
We walk into the sun

So glad to have a guide
Less lonely for the ride
And should this car ascend
At least I’m with a friend

In space all things are slow
No sound with speakers blown
The silence fits the scene
The prince is now the king

We walk into the sun
We walk but cannot run
Because walking’s half the fun
We walk into the sun

(和訳:僕たちどこに行けばいいの? 迷ってるしまだ混乱してる 太陽に向かって歩いていく 君と一緒に ひとりだけど / 誰が道を知ってるの? 一日は時間で構成される 一週間は一ヶ月になる 僕たちは太陽に向かって歩いていく / ガイドがいてくれてうれしいよ 道中もさみしくないしね この車上げてかないとね(?) 少なくとも僕は友達がいる / この空間では全てのものがスローだ スピーカーはぶっとんでるから音も聞こえない この場面には静寂がよく似合うね 王子様はいまや王様になっちゃった /僕たちは太陽に向かって歩いていく 走れないから歩いていくわ 歩いていくのちょっと楽しいし 僕たちは太陽に向かって歩いていく)

ようやく「I」以外が出てきました。 友達も出てきたみたいで安心した。やっぱり一人は寂しいんだね! でも歌詞意味分かんないよね? これ説明ないと絶対わかんないよ! テーマが何なのか全然わからないけど道に迷ったりしてるから、就活生へのエールとして送りたい歌でもあるね。 しかし安易に恋とか愛とか君とか出てこないところがいいよね。なんとなく絶望感がありますよね。あとやっぱり暗い。

Deerhunter/ Nothing Ever Happened

Only when I dream but there’s no way out
You learn to talk, you learn to shout
Focus on the depth that was never there
Eliminate what you can’t repair

Nothing ever happened to me
Nothing ever happened to me
Nothing ever happened to me
Life just passed and flashed right through me

Sleep through the winter, awake in spring
Adjust your eyes to the state of things
Focus on the depth that was never there
Nothing’s easy, nothing’s fair

Nothing ever happened to me
Nothing ever happened to me
Nothing ever happened to me
Life just passed and flashed right through me

(和訳(自信ない):僕が出口のない夢を見ているときだけ、君は話すことを覚え、叫ぶことを学ぶ
/深さを調べてみようよ そこにはないけどね 修理できないものは捨てちゃいなよ /僕には何も起こらない 僕には何も起こらない 僕には何も起こらない 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ/
冬眠してて、春に起きた 物事の本質をしっかりとらえて 深さを調べてみようよ そこにはないけどね
簡単なものなんてない、フェアじゃないことも多いよ/ 僕にはこれまで何も起こらない 僕にはこれまで何も起こってないよ 僕にはこれまで何も起こったことなんてないよ 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ)

出ました! 真打ち登場です! しかしよく夢見るなこの人・・・基本寝てるんだね。「そこにないものの深さを調べる」とかピタゴラスイッチでも困難だろ! てか言ってること意味わかんないし面倒くさいわ! そして来ました。サビです。

「僕には何も起こらない×3 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ」

これだよ! よく女子高生が恋愛ソング聞いて「この歌詞ちょー共感できるーヤバイ」とか言ってるけど全然やばくないよ!この歌詞のほうが一千万倍共感できるよ!! 僕が今までずっと思ってたことをこの歌詞は代弁してくれたよ!! 全てのコミュ障&ぼっちの心の隙間を埋めてくれたよ! 尾崎豊は「10代の代弁者」と言われていたけどDeerhunterは「コミュ障&ぼっちの代弁者」だわ!

Deerhunterの魅力、少しでもわかっていただければ幸いである。 歌詞もすごいけどそのメロディセンスも素晴らしいのです。みんなDeerhunter好きになってもっと語り合いましょうよ! 日本だと知名度なさすぎなんだよ!アメリカではインディーロック界の最重要バンドと言われているのに! 

そのうち教祖様・Radioheadの魅力についてブログを書きたいところだが(ちなみに私はRadiohead教の信者である)書き始めると軽く3万字を超えて「文芸春秋」とかに掲載してもらわなくてはいけないレベルになるので、折を見て書きたいと思っている。