こんにちは。 masakuroyです。
芸術の夏ということで、先日避暑も兼ねて渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている
「ベルギー 奇想の系譜展」に行ってまいりました。
Bunkamuraザ・ミュージアムはアクセスがいいのと、一風変わった展示が多いので最近お気に入りです。
写実を追求したリアルな絵画の中にファンタジーの要素が組み込まれていて、幻想的な絵画世界が楽しめます。
ちょっと怖くて不思議なアートに興味がある人は楽しめること請け合いでしょう。
チラシはこんな感じです。
この絵のイメージを見るだけでかなりエキセントリックなアートであることはわかってもらえるでしょう。
一枚目の写真の絵画はヒエロニムス・ボス工房の「トゥヌグダルスの幻視」という作品で、神話をベースに地獄の情景を描いたものなのですが、”ウォーリーを探せ”的な細かい部分を見ていくたびに新しい発見があるのが面白いです。
裸の人間が異形の怪物にいじめられている地獄絵図さながらの光景ですが、絵のタッチと怪物のとぼけた?容姿も手伝ってなんとなくユーモラスに感じてしまいます。
現在のベルギー周辺地域・中世でいういわゆるフランドルの画家たちは独特の個性を持っていて非常に面白いです。
奇想の系譜展でも出展されている画家たちを紹介します。
ピーテル・ブリューゲル
言わずもがな非常に有名な画家です。
遠景から人々を描写するようなタッチの絵が多いですが、ほのぼのとした描写の中にも人間の業への痛烈な皮肉や風刺が含まれているのが特徴です。
ピーテル・ブリューゲル|知れば、アートは楽しくなる-ART LOVER
私は中野京子さん著の「怖い絵」シリーズを読んで、ブリューゲルの絵画「絞首台の上のかささぎ」に含まれる「悪意」を知り「こんな牧歌的な絵なのに・・・怖いわ〜」と震撼したのを覚えています。
ルネ・マグリット
幻想的な絵画世界で非常に人気・知名度ともに高いマグリットの絵も今回出展されてます。
シルクハットをかぶった紳士の顔がフルーツに置き換わっていたり、雨の代わりに紳士が空から大量に降ってくるといった独特すぎるけど強烈な魅力を放つ絵画は必見です。
あれ?何かがおかしい・・・。シュールな画家「ルネ・マグリット」に酔いしれたい!
フェルナン・クノップフ
まず名前がいいですよね。 ハンター×ハンターに出てきそうです。
この人は妹と人気のない街を描かせたら右に出るものはいないというほどの画家だったようですが、この人の書く街は完全に「死の匂い」が漂っており、何とも言えない退廃的な魅力が漂っております。
私こういうかなり極端に倒錯した趣向を持つ画家、大好きなんですよね・・・
ジェームズ・アンソール
「仮面の画家」として前衛的な画家として有名です。
その斬新な作風に理解を示さなかった世間への欺瞞や怨嗟を仮面という形で表現したのでしょうか。
人々の顔は仮面で置き換えられているがむしろ心の奥底の本心を仮面で表現したのかもしれません。
素顔を隠すための仮面が本質を浮き彫りにしているというなんとも皮肉的な、逆説的な表現でしょうか・・・
ポール・デルヴォー
純粋な摩訶不思議度とインパクトはNo. 1かもしれないですね。
強烈な世界観です。まさにシュールレアリズムですね。
古代ローマを思わせる建築物と全裸の無表情な女性が同じ画面に佇んでいる。しかも夜。
状況説明は全くできません。現実ではありえない夢の世界そのものだからです。
この19-20世紀に活躍したベルギーの画家って皆実家が裕福なんですよね・・
じゃないと絵画なんて続けられなかったからかもしれないですけど。
しかもデルヴォーも母親から溺愛されて最愛の女性との結婚が破談になったり、どこか複雑な事情が見え隠れします。
そうした倒錯や満たされない思い・コンプレックスのようなものが強烈な創作意欲をかき立てた可能性は否定できませんね。・・・
春彦さーーん!!
色々な時代のベルギー出身の芸術家の作品が集まった展覧会、とても面白いので足を運んでみてはいかがでしょうか。
私は特に19-20世紀の少し変態的趣向を持つ絵画が一番好きです笑
私も変態だからかもしれませんね笑
では!