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  • お一人サマご一行

    お一人サマご一行

    昔から単独で行動してしまうことが多い。

    ひとりで何でもやってしまうのだ。

    ふと思い立ったときにすぐ行動するので、人を誘う時間がないのだ。計画性がなさすぎるとも言える。

    逆に人を誘って何か面白いことするのは苦手なので、自分から企画することはほとんどない。

    基本誘われ待ちである。これは子供のときからそうだった。 自分から友達の家に遊びに誘いにいくことがなく、友達のほうがいつも家に来ていた。

    誰もが子供のときに経験している「●●ちゃん、あーそぼ」という台詞は僕は言ったことないかもしれない。

    これから「おひとり様エピソード」をあげていこうと思う。

    ひとり映画・ひとり美術館は当たり前である。

    ひとり映画で一番恥ずかしかったが「ラブアクチュアリー」だ。

    いい映画だったが、断じて一人で映画館で見る映画ではない。断じてだ。当時の僕は何がしたかったんだ。

    ・ひとり海

    これも余裕である。 一人でふらっと海を見るために出掛けるのだ。

    鎌倉には一人で3、4回くらい行ったであろう。 由比ケ浜→寺社仏閣巡り→大仏見学コースである。お爺ちゃんか。

    ・ひとり旅

    これもよくやる。しかも何の計画もなくふらっと出掛ける。

    一昨年、3連休の中日に急に思い立ち金沢に旅行にいった。

    しかし思い立って行動したはいいものの金沢に着いた瞬間に風邪を引いた。

    熱にうなされながらせっかくの旅先の一夜をビジネスホテルでうんうん唸りながら過ごした。

    何しに金沢まで行ったんだ??・・・ だが翌日には復調して兼六園や金沢21世紀美術館を堪能できたのでよかった。

    しかし、なんで観光地はカップルばっかなんですか?!怒(当たり前)

    なんでぼっちがちょっと居たたまれない気分にならなきゃいけないんじゃい!

    「うわーあいつ一人でこんなとこ来てるww ププーw」とか思われなきゃいけないんや!!クソバカップル共が!(実際は誰もそんなこと思っていないと思われる すいません)

    ・ひとり奥多摩トレッキング

    大学2年生の夏ひたすら家にこもってドラクエし、プレイ時間が100時間を超えた頃このままではいけないと思い、唐突に一人で奥多摩にトレッキングに出掛けることにした。

    これもやってはいけない。 たまたま前を歩くのが付き合いたての大学生カップルだったりしたら最悪である。 まるで僕がふたりを尾けてるかのような体になってしまったではないか。

    自然豊かで人もまばらな奥多摩渓谷で、2組がトレッキングしているのだ。一組は若いカップル、もう一組はドラクエ漬けのぼっちである。

    しかし初々しい二人だな・・・・・ん?こっち見てんじゃねぇよ!! さっさと歩けや、後がつかえてんだよ!!

    僕は二度と一人で奥多摩には行かない事に決めた。

    そして最後、これはまさにリーサルウェポンである。絶対にやってはいけない。

     

    ・ひとり富士急ハイランド

     

    これも大学生の夏休み、僕は唐突にどこかへ行きたいと思った。

    その日はバイトもサークルもなく、貴重な夏の一日を無駄に過ごしたくはなかった。

    何しよう?どうしよう? 僕の頭の中のインテルマイクロプロセッサがはじき出した答えは富士急だった。

    僕は八王子まで行き、特急にのって大月駅から富士急行に乗った。

    そしてとうとう富士急ハイランドに着いた。

    着いたどー!よぅし来たからにはのりまくってやる!早速フリーパスを購入じゃー!!

    まずは今(当時)話題のドドンパに乗ってやるぞー!

     

     

    ドドンパは優に二時間待ちの行列だった。

    こんな事もあろうかと僕は本を持ってきていた。村上春樹の小説だ。

    周りが大学生・高校生のグループで賑やかな中、僕は一人別世界にいた。

    村上春樹の虚無的な世界観は孤独の隙間を埋めてくれる。

    かれこれ2時間全く話さないまま時が過ぎ去った。

    そしてとうとう僕の乗車順が近づいてきた。

    ドドンパは並列二人乗りである。当然ひとりで来ている僕の隣は空いている。

    案の定大学生のグループの中の一人が僕の隣に座ることになった。

    グループの中で一際元気でやんちゃそうなやつが僕の隣に座った瞬間、戸惑ったように押し黙ったのが忘れられない。

    あふれでそうな涙を吹き流すようにドドンパはゆっくりと始動し、音速の世界に突入した。

    ・・・・・いや〜ドドンパすごいスピードだった! 楽しかった〜もう一回乗っちゃおうかな!!

    その時、館内放送が富士急に響き渡った。

    「当園はあと10分で閉園になります お気をつけてお帰り下さいませ」

    真夏の血のように濃い色の夕暮れに、僕の影は長く伸びていった。

    溢れ出る汗は抑えきれず、暑さによるものかそれとも別の何かによるものか、僕にはわからなかった。

    僕にわかっていたのは2、3時間並んでドドンパに一回乗っただけで、富士急がそろそろ閉園しようとしているという事だけだった。

     

    フリーパス・・・・買ったのに・・・・・・

     

    帰りの電車に揺られながら今日僕は何を得たのだろうという事をぼんやり考えた。

    導きだした答えは、失ったもの(金・時間・誇り)はあったけど、得たものはなかったという結論だった。

    強いて得たものと言えば、富士急はすっごい混んでるという事実、遊園地に行くならもっと朝早く出掛けたほうがいいという知識、あと一人ではもう遊園地には絶対行かないという堅い決意だった。

    P.S. いつか一人BBQをしてみたい。「ちょwwやばwwww 驚愕www まさかの一人BBQ発見www」とかtwitterで晒されて拡散されるのが夢です。