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    新時代の代弁者・ディアハンター

    今日は僕が敬愛してやまない、Deerhunterというバンドを紹介したい。

    僕がインディーロックを好きなのは、もし女子に

    「どんな音楽聴くの?」

    と聞かれた時に

    「インディーロック」と答えることで、

    「インディーロックが好きなんてなんかオシャレだわ アート感でてるし この人好き!」

    という展開を狙っているからだが、インディーロックはそのメロディやリズムパターンが独特で、面白いという事もあるのだが何よりも「歌詞」が圧倒的に一般的な洋楽・邦楽と異なっている点が面白いのだ。

    大体の一般的な邦楽・洋楽の歌詞のテーマは「私」と「あなた」、「I」と「You」の関係性である。

    「あなたの事が好き」
    「君を愛してる」
    「君と一緒にいたい」
    「I love you」
    「I make you mine」
    「You are my everything」

    これに対してインディーロックの歌詞テーマは多様性に富んでいる。

    とくにDeerhunterの歌詞は圧倒的に変わっている。

    Deerhunter/It Never Stops

    i had dreams
    that frightened me awake
    i happened to escape
    but my escape

    would never come
    would never come
    would never come
    would never come

    (和訳:僕は怖い夢を見て飛び起きた 僕は逃げ出そうとした でも僕が逃げ出す機会は訪れなかった 訪れなかった 訪れなかった)

    この圧倒的な一人感すごい。自分以外誰も出てこない。 基本「I」で簡潔しており徹底的に自分に向き合っている。 てか怖い夢見て起きたって子供か。 しかもめっちゃ歌詞後ろ向き。暗い。

    Deerhunterの最大の魅力は、緻密にエフェクトされたギターが生み出すサイケデリック・ノイズの陶酔とこの救いようがない暗く孤独な歌詞世界なのだ。

    Deerhunter/ Strange Lights

    What direction should we choose?
    We’re lost and still confused
    I walk into the sun
    With you, the only one

    Who understood the ways
    The hours become days
    The weeks turn into months
    We walk into the sun

    So glad to have a guide
    Less lonely for the ride
    And should this car ascend
    At least I’m with a friend

    In space all things are slow
    No sound with speakers blown
    The silence fits the scene
    The prince is now the king

    We walk into the sun
    We walk but cannot run
    Because walking’s half the fun
    We walk into the sun

    (和訳:僕たちどこに行けばいいの? 迷ってるしまだ混乱してる 太陽に向かって歩いていく 君と一緒に ひとりだけど / 誰が道を知ってるの? 一日は時間で構成される 一週間は一ヶ月になる 僕たちは太陽に向かって歩いていく / ガイドがいてくれてうれしいよ 道中もさみしくないしね この車上げてかないとね(?) 少なくとも僕は友達がいる / この空間では全てのものがスローだ スピーカーはぶっとんでるから音も聞こえない この場面には静寂がよく似合うね 王子様はいまや王様になっちゃった /僕たちは太陽に向かって歩いていく 走れないから歩いていくわ 歩いていくのちょっと楽しいし 僕たちは太陽に向かって歩いていく)

    ようやく「I」以外が出てきました。 友達も出てきたみたいで安心した。やっぱり一人は寂しいんだね! でも歌詞意味分かんないよね? これ説明ないと絶対わかんないよ! テーマが何なのか全然わからないけど道に迷ったりしてるから、就活生へのエールとして送りたい歌でもあるね。 しかし安易に恋とか愛とか君とか出てこないところがいいよね。なんとなく絶望感がありますよね。あとやっぱり暗い。

    Deerhunter/ Nothing Ever Happened

    Only when I dream but there’s no way out
    You learn to talk, you learn to shout
    Focus on the depth that was never there
    Eliminate what you can’t repair

    Nothing ever happened to me
    Nothing ever happened to me
    Nothing ever happened to me
    Life just passed and flashed right through me

    Sleep through the winter, awake in spring
    Adjust your eyes to the state of things
    Focus on the depth that was never there
    Nothing’s easy, nothing’s fair

    Nothing ever happened to me
    Nothing ever happened to me
    Nothing ever happened to me
    Life just passed and flashed right through me

    (和訳(自信ない):僕が出口のない夢を見ているときだけ、君は話すことを覚え、叫ぶことを学ぶ
    /深さを調べてみようよ そこにはないけどね 修理できないものは捨てちゃいなよ /僕には何も起こらない 僕には何も起こらない 僕には何も起こらない 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ/
    冬眠してて、春に起きた 物事の本質をしっかりとらえて 深さを調べてみようよ そこにはないけどね
    簡単なものなんてない、フェアじゃないことも多いよ/ 僕にはこれまで何も起こらない 僕にはこれまで何も起こってないよ 僕にはこれまで何も起こったことなんてないよ 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ)

    出ました! 真打ち登場です! しかしよく夢見るなこの人・・・基本寝てるんだね。「そこにないものの深さを調べる」とかピタゴラスイッチでも困難だろ! てか言ってること意味わかんないし面倒くさいわ! そして来ました。サビです。

    「僕には何も起こらない×3 人生はただ瞬いている間に過ぎ去るだけ」

    これだよ! よく女子高生が恋愛ソング聞いて「この歌詞ちょー共感できるーヤバイ」とか言ってるけど全然やばくないよ!この歌詞のほうが一千万倍共感できるよ!! 僕が今までずっと思ってたことをこの歌詞は代弁してくれたよ!! 全てのコミュ障&ぼっちの心の隙間を埋めてくれたよ! 尾崎豊は「10代の代弁者」と言われていたけどDeerhunterは「コミュ障&ぼっちの代弁者」だわ!

    Deerhunterの魅力、少しでもわかっていただければ幸いである。 歌詞もすごいけどそのメロディセンスも素晴らしいのです。みんなDeerhunter好きになってもっと語り合いましょうよ! 日本だと知名度なさすぎなんだよ!アメリカではインディーロック界の最重要バンドと言われているのに! 

    そのうち教祖様・Radioheadの魅力についてブログを書きたいところだが(ちなみに私はRadiohead教の信者である)書き始めると軽く3万字を超えて「文芸春秋」とかに掲載してもらわなくてはいけないレベルになるので、折を見て書きたいと思っている。