「君の名前で僕を呼んで」を観た

こんにちは。masakuroyです。

今日はこの観た映画の話をする。

君の名前で僕を呼んで」という映画だ。

目が醒めるような青空の下、二人の青年が寄りかかりあう様がはっとするほど美しい。

映画のメインビジュアルだ。

本年度のアカデミー賞で脚色賞を受賞し、ディカプリオの再来と言われるティモシー・シャラメは20歳そこそこで主演男優賞にノミネートした。

アカデミー賞授賞式あたりからこの映画にはかなり興味を惹かれていたが、ようやく公開されたので渋谷bunkamuraのル・シネマに観に行った。

ル・シネマに行くのはこれが初めてである。

映画のあらすじを単純に話すと1980年代の北イタリアを舞台に17歳の少年と24歳の青年のひと夏の恋を描く純愛映画である。

そうつまるところ同性愛のラブストーリーである。

ヒーローが男ならヒロインも男である。

しかしそんなことはどうでもいいと思えるほど完璧で、胸を締め付けられる美しい青春映画であった。

私が素晴らしいと感じたポイントを箇条書きで挙げていきたい。

1. オープニングが素晴らしい

映像と音楽のコラボレーションが完璧で、ここまで期待に胸が高鳴る映画のオープニングは今まで見たことない。

あまりに素晴らしすぎてオープニングの音楽をitunesで購入してしまったほどだ。

ジョン・アダムスのハレルヤジャンクションという曲だ。

2. 最高に上質な音楽と映像

いい映画に欠かせない音楽と映像だが、この映画は極上。

北イタリアの光溢れる風景の描写がただひたすら美しい。

主人公の17歳のエリオ家族が暮らす瀟洒な邸宅。

エリオと大学院生オリヴァーが自転車で街に向かう途中の畦道。

二人が水浴びするまるで中世の絵画に描かれるような川。

そして二人の青年に惹かれるイタリアの美しい娘たち。

家庭菜園で栽培しているアプリコットに降り注ぐ楽園のような陽光。

また映画を彩る音楽も私好みの素晴らしい楽曲ばかり。

クラシックからポップスまで素晴らしくて、サウンドトラックを買おうか迷うほど。

サントラには坂本龍一の曲も収録されている。

3. 将来性溢れる俳優陣の熱演

美しい映像・音楽ときてこの映画は美しい俳優陣も揃えているので三位一体とはまさにこのこと。

エリオ演じる新鋭ティモシー・シャラメは少年らしさと繊細さを併せ持ち、全世界の女子が熱狂しそうな王子様然としたルックス。

若き日のレオナルド・ディカプリオを彷彿とさせる。

エリオ家邸宅にホームステイする大学院生オリヴァーを演じるアーミー・ハマーのまるでギリシャ彫刻のように整った顔立ち。

オリヴァーの口癖”later.(後で)”の声の低さがかっこよすぎる。

また脇を固めるエリオの両親(お父さんはロビン・ウィリアムスに似ている)やイタリアの娘さん達の熱演も光る。

4. 心の揺らぎ・動きを丁寧に描写するストーリーの誠実さ

なかには「BL好きの腐女子が狂喜乱舞するゲイ映画かよ!」などというフトドキモノもいるだろう。

しかしこの映画はそんな低俗なものではない。

そんな映画ならハナから見てないし見る理由もない。

この映画は二人の人間の心が通じ合う様を誠実に、真摯に描いた傑作なのだ。

実際、この物語は男女でも成立するし、たまたま恋に落ちた相手が男だったというだけなのだ。

男同士のまぁまぁ過激な場面があるので「エッ」となるシーンもあったが、恋人同士の間であればごく自然な行動だと思うのでリアリティを追求する制作陣のプロ意識に頭が下がった。

かつかなりきわどいシーンも体当たりで渾身の演技をしたティモシー・シャラメ、アーミー・ハマーに拍手を送りたい。

だがそこはメインではなく、どちらかというと反発していた二人が徐々に惹かれあっていることに気づき、少しずつ距離を縮めて行く心の揺れ動きを、美しい映像と音楽に絶妙に調和させているからこそこの映画は素晴らしいのだ。

まだ公開されたばかりなので、ぜひこの瑞々しい感動をスクリーンで観てほしいと思う。

映画のキャッチコピーが「何ひとつ忘れない」なのだが、生涯忘れることのできない人を愛することの尊さ・歓び・そして1人の少年と青年の成長を描く、まばゆいばかりの輝きを放つ傑作であることは疑いようのない事実だから。

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