「新しい世界〜世界の賢人16人が語る未来」を読んで


こんにちは。masakuroyです。

最近家で過ごすことが多いので本を読む時間も長くなっています。

今日は最近読んだ「新しい世界」という本を紹介したい。

これは世界中の哲学者や知識人、いわゆる「賢人」16人にフランス誌クーリエがインタビューした内容をまとめたものになっている。

日本のメディアが取材した時にありがちなリップサービス的なものはなく、かなり賢人の本音に迫ったインタビューになっているようだ。

サピエンス全史のユヴァル・ノア・ハラリさんであったり著書が話題になったトマ・ピケティさんなど有名人のインタビューが多数掲載されている。

全て最近のインタビューなのでテーマはコロナウイルスによるパンデミックが世界をどう変えたか、そしてアフターコロナの世界はどうなっていくかを語っているものが多い。

大体の人がパンデミックにおける各国の対応の不味さを率直・痛烈に批判していたりする。

世界で最も賢いと言われている人たちの考えていることを知ることができるのはとてもエキサイティングだ。

飽きることなく夢中になって読み進めることができた。

特に印象に残っていることを順不同で述べていきたい。

まずフランスの学者エマニュエル・トッドさんはフランス政府に対して辛口すぎて面白い。

レバノンの学者ナシーム・ニコラス・タレブさんの半脆弱性の話は面白かった。

外的な刺激がないと弱くなってしまうという性質。

大企業でも公的機関でも、有効期限を設けて本当に必要かどうか検証するというアイデアは斬新だなと思った。

トマ・ピケティさんもこの世から大金持ちをなくして若い世代に配分する仕組みを作るべきだとか、結構ドラスティックな意見を述べたりしていて興味深い。

ノーベル経済学賞を受賞したエステル・デュフロさんは実証実験を通して貧しい世帯に財を供給したら働かなくなるという前提を覆したという事例を見て、世界の賢人は今の世の中の格差をどうやったらなくせるか真剣に考えているんだなと思った。

マルクス・ガブリエルやマイケル・サンデルさんも今の勝者総取り的な資本主義の仕組みを改めるべきだと言っていて、格差を縮小する新しい社会のフレームが必要だみたいなことを述べていた。

コロナ前から社会には色々な綻びが生じてきていて、今の民主主義や資本主義の仕組みを見直して、調整することを検討するタイミングに入ってきてるんだなと理解した。

色んな賢人が考えていることに触れることで、今まさに「新しい世界」への移行期というか、大きな歴史のうねりの真っ只中にいるんだなと実感させられた。

この辺の話には興味を惹かれたので気鋭の若手研究者マルクス・ガブリエルの著書を買ってしまった。

これからじっくり読んでいきたい。

それでは今日はこの辺で。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です