センス・オブ・ワンダー 〜スティーブ・レイシーという若者〜

こんにちは。masakuroyです。

7ヶ月ブログの更新をサボっていたら年の暮れになってしまいました。

今年も色々なことがあった。コロナもまだ尾を引いているがだいぶ落ち着いてきた感じだ。

最近また感染者が増えてきて飲み会は自粛傾向だが、早く家に帰りたいマンとしてはとてもありがたい。

コロナで飲み会の強制感がなくなった・断りやすくなったのもいいことの一つだ。

つい先日、ワールドカップがアルゼンチン三回目の優勝、メッシの悲願の成就というこれ以上ない大団円で幕を閉じた。

カタールでの開催は人権や汚職で問題が起きているけど、環境はバツグンで過去最高のワールドカップになったというくらいの盛り上がりだった。

実際すべての試合がハイレベルで面白く、この一ヶ月はまさに睡眠不足との争いとなった。

さて本題に入ろう。今年もっとも感銘を受けてよく聴いたアーティスト、スティーブ・レイシーについてだ。

もともと彼のことは全く知らず、アップルミュージックの「オルタナティブ」カテゴリーで新作を漁っていたとき、アートワークがなんとなく気になって聴いてみたのが最初だ。

直感というのはバカにできないもので、いざ聴いてみると最初から引き込まれた。

楽曲のセンスが抜群であり、まさにこういうものが聴きたかった!という音楽そのものだったからだ。

あらゆる音楽のエッセンスを巧みに取り入れて、シンプルで耳馴染みのよい音に仕上げているのに、リズムの取り方・音の配置の仕方ひとつひとつが計算しつくされており、全く聞き飽きない。というか気持ちよすぎる。

最近聴いたなかでも、ここ数年の中でベストなアルバムに出会えたと思っている。自分の中ではDeerhunterのMicrocastleに並び立つ名盤だと、勝手に位置付けられた。

特にBad Habitの名曲感がヤバいなと思っていたらなんとTiktokで大ブレイクしビルボードチャートのトップを飾るという偉業を達成。

どちらかというとインディーロック界隈かなと思っていたスティーブ・レイシーはメインストリームにも完全に受け入れられるほどの普遍性と魅力を要していると証明されたことになる。

アルバムGemini Rightsを聴いているうちに、スティーブがどんな人物か興味が湧いてきて調べてみるとまだ24歳だった。しかし10代の頃からキャリアを積んでおり、iphoneで曲を作るiphoneプロデューサーとして有名だった神童らしい。

過去の作品Steve Lacy’s Demo、Apollo ⅩⅩⅠを聴いたがこれまたヤバい。

10代の若者が1人で作ったとは思えないくらいクオリティが高すぎる。

すでにこの頃から批評家筋にも絶賛されていたが本人は「一体何が起きてるんだ!?」って感じだったらしい。

つまりこれだけの作品を無邪気に作っていた、完全に天然でセンスだけで作っていたということだ。センスって恐ろしい。

2022年になってもこんなアーティストに出会えるってまだまだロックって底知れない音楽だなと思った。

初めてビートルズやレディオヘッドを聴いた時と同じ感動をこれからも味わえるかもしれないと思うと楽しみで仕方ない。

個人的に年間ベストかと思っているがPitchfolkの2022年間ベストを見ると、思いの外評価が低くて残念だが、それはまぁいいだろう。

最後にBad Habitの歌詞から拝借してブログを締めたいと思う。

“I wish I knew you wanted me” (君が僕のことを求めていたと知っていたなら)

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